「何から読めばいいか分からない」社会人に伝えたい不都合な真実
「読書の習慣をつけたいけど、何から読めばいいか分からない」──社会人の読書の悩みとしてダントツに多いのがこれです。書店に行けば何十万冊という本が並び、Amazonで検索すれば数百万件の結果が返ってくる。この膨大な選択肢の中から「最初の1冊」を選ぶのは至難の業です。
そこで多くの社会人が手に取るのが、ベストセラーのビジネス書です。たしかにこれらは良い本ですが、実は読書の「最初の1冊」としては最適ではありません。なぜなら、読書には「正しい順番」があるからです。
いきなりビジネス書を読んではいけない3つの理由
1つ目は、基礎の語彙力が足りないまま読んでいること。「還元」「啓蒙」「近代化」「合理主義」──ビジネス書や教養書に頻出するこうした言葉を正確に理解できていないと、文章の論理展開についていけません。英単語を知らずに英文を読むのと同じ状態です。
2つ目は、読解力が鍛えられていないこと。人間には「心理的盲点(スコトーマ)」や「思い込み」があるため、文章を100%正確に受け取るのは非常に難しい作業です。読解力がないまま読むと、著者の主張ではなく自分が読み取りたいことだけを拾ってしまいます。
3つ目は、背景知識が不足していること。「資本主義」「構造主義」といった概念を知らないまま経営書を読んでも、表面的なテクニックしか拾えません。
社会人が読書を始める正しい順番
ステップ1:読書法そのものを学ぶ
最初に読むべきは読書法の本です。おすすめは佐藤優さんの『読書の技法』。「知の巨人」とも呼ばれる元外交官が、「本物の知識・思考力を身につけるには、高校・大学入試レベルの基礎学力をしっかり身につけることが大切である」と繰り返し強調しています。読書の本なのに基礎学力の重要性に大部分が割かれている──実に含蓄に富んだ1冊です。
併せて苫米地英人さんの『クロックサイクルの速め方』も効果的です。読書家ほど陥りやすい「スコトーマ」の概念や、速読よりも重要な「抽象度」の概念が解説されています。
ステップ2:基礎学力を固める
読書法を学んだら、次は基礎学力の強化です。特に重要なのが国語力で、「語彙力」「読解力」「背景知識力」の3つで構成されています。語彙力は『入試 漢字マスター1800+』、読解力は『田村のやさしく語る現代文』、背景知識は『Z会 現代文キーワード読解』で鍛えられます。
さらに数学や歴史の基礎も固めると、読める本の幅が飛躍的に広がります。
ステップ3:読むべき本のリストを手に入れる
基礎学力がつき始めたら、「何を読むべきか」の地図を手に入れます。世界にはこれまで1億冊以上の書籍が出版されていますが、知識の源流を辿ると約100人の著者、約100冊の本に行き着きます。
橋爪大三郎さんの『正しい本の読み方』では「必ず読むべき大著者100人リスト」が掲載されており、聖書、コーラン、マルクスの『資本論』など、世界を動かしてきた超骨太の本が紹介されています。佐藤優さんの『知の巨人が選んだ世界の名著200』、堀内勉さんの『読書大全』も優れたブックガイドです。
ステップ4:知識を「ゲシュタルト」にする
本を読む時は、手前から順番に読むのではなく、タイトル→目次→はじめに・おわりに→見出し・太字→本文、という順で全体像から細部へと入っていきます。脳は全体像がないと部分を正しく認識できないため、この順番で読むだけで理解度が劇的に変わります。
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