1周目の目的は「解くこと」ではなく「仕分けること」
白チャートの1周目で多くの社会人がやってしまう失敗は、「全問を完璧に解こうとする」ことです。1問に30分、1時間とかけて、結局1ヶ月経っても最初の章が終わらない。この進め方では100%挫折します。
1周目の本当の目的は、問題を解くことではなく「解ける問題」と「解けない問題」を仕分けることです。この仕分けができれば、2周目以降で解けない問題だけを集中的に反復できるため、学習効率が劇的に上がります。
1周目の具体的な進め方──5つのルール
ルール1:1単元ずつ区切る(各個撃破法)
白チャートIA全体を一気に1周するのではなく、1単元(=白チャートの1章)を範囲として区切り、その範囲の1周目が終わったらすぐ2周目に入ります。例えば「数と式」の章の例題を全て解いたら、次の章に進む前にもう一度「数と式」の×と△だけ解き直す。
なぜこうするかというと、IA全体を1周してから戻ると、最初の方を完全に忘れているからです。狭い範囲を短い周期で反復する方が、記憶の定着率は格段に高くなります。
ルール2:7分のタイムリミットを設ける
1問にかける時間は最大7分。7分以内に解ければOK。7分考えても解けなければ、すぐに解答を見ます。
「考えないと力がつかないのでは?」と心配するかもしれませんが、基礎固めの段階では考え込む必要はありません。英単語を知らなければ英文が読めないのと同じで、まず解法パターンを「知る」ことが先です。「考える」のは基礎が固まった後のフェーズです。
ルール3:解答を見たらセルフレクチャー
解答を見たら、それを自分自身に声に出して説明します。「まず〇〇の条件を確認して、次に△△の公式を使って、こうなるから答えは□□」と、先生が生徒に教えるように解法を再現します。
これが「セルフレクチャー」です。解答を読んで「ふむふむ」と思っただけでは「分かったつもり」で終わります。声に出して説明しようとすると、理解が曖昧な箇所で必ず詰まります。その詰まった箇所が本当に理解できていない部分です。
ルール4:全問にステータスをつける
問題を1問解くごとに、以下の3段階のステータスを白チャートの例題の横に書き込みます。
×(バツ):解けなかったし、解答を見ても理解できない。または7分でタイムアップ。
△(さんかく):解けなかったけど、解答を見たら理解できた。セルフレクチャーで再現できた。
◯(まる):自力で正解できた。
このステータスが1周目の最大の成果物です。2周目以降は◯の問題を飛ばし、×と△だけを解けばいいので、反復のスピードが加速していきます。
ルール5:スピードを最優先にする
1周目は「完璧さ」より「スピード」を最優先にしてください。1章の例題が20問あれば、1日5問×4日で1章の1周目が完了します。IAが全10章なら、40日(約1.5ヶ月)で1周目が終わる計算です。
ステータスが×だらけでも気にしない。×が多いということは「まだ知らない知識が多い」というだけで、能力の問題ではありません。2周目以降で×は確実に減っていきます。
1周目で絶対にやってはいけないこと
NG1:ノートに解答をきれいにまとめる
1周目でまとめノートを作る時間があるなら、その時間で1問でも多くステータスをつけた方が有益です。ノートは計算の下書きに使い、きれいにまとめる必要はありません。重要なポイントを記録したければ、ノートではなくカードに書きます。カードなら通勤時間にも復習できます。
NG2:練習問題やEXERCISESまで手を出す
1周目は例題だけに集中してください。練習問題やEXERCISESは例題が全問☆(連続2回自力正解)になってから。1周目で欲張ると進度が落ちて挫折します。
NG3:分からない問題を何日も考え続ける
×をつけて次に進んでください。人の脳には無意識が裏で問題を処理し続ける力があるため、×をつけた問題が2周目では△に、3周目では◯になることは珍しくありません。立ち止まるより、先に進んだ方が結果的に早く全問マスターできます。
1周目が終わった時の理想的な状態
1周目が終わった時点で、ステータスは以下のようなバランスになっているのが普通です。
◯:30〜50%(自力で解けた問題)
△:30〜40%(解答を見れば分かる問題)
×:10〜30%(まだ理解できない問題)
×が多くても全く問題ありません。むしろ×が少なすぎる場合は、白チャートが簡単すぎる可能性があります。2周目で×と△を重点的に攻略し、3〜5周で全問☆を目指します。
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