大人の数学の基礎固めはどうやる?社会人が実践できる具体的なやり方

基礎固め=「数学のゲシュタルト」を作ること

数学の基礎固めと聞くと、公式を暗記したり、計算ドリルをひたすら解いたりするイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、本当の基礎固めはそれとは全く違います。

本当の基礎固めとは、頭の中に「数学のゲシュタルト」を作ることです。ゲシュタルトとは、個々の知識がバラバラに存在するのではなく、互いにつながり合って1つの「網」のようなまとまりになっている状態のこと。パーツを集めただけではなく、それらが組み合わさって自転車として走れる状態にすることが、基礎固めの本質です。

なぜこれが重要かというと、知識がゲシュタルトになっていないと、「教わった問題はできるけど、初見の問題は手が出ない」という現象が起きるからです。逆にゲシュタルトができていれば、基礎知識を組み合わせて初見の問題にも対応できるようになります。

大人の基礎固め──具体的なやり方

やり方1:まず全体像をつかむ

ゲシュタルト作りの第一歩は、全体像を把握することです。脳は全体像がないと部分を正しく認識できない性質を持っているため、最初に数学全体の「地図」を頭に入れます。

「東大の先生!文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!」のような入門書を1~2冊サッと読むだけで十分です。理解しようとせず、「こういう単元があるんだ」というぼんやりした全体像ができればOKです。

やり方2:バイブル本を「各個撃破法」で進める

全体像をつかんだら、白チャートを「バイブル本」として本格的に取り組みます。進め方のコツは「各個撃破法」。全範囲を一度に進めるのではなく、1単元ずつ完全に潰してから次へ進みます

1単元の中でも、全問題を均等に解く必要はありません。問題ごとに「解けた」「解説を見たら分かった」「全く分からなかった」のステータスをつけて管理し、次の反復では「できなかった問題だけ」を重点的に回します。こうすることで、限られた時間を「本当に必要な問題」に集中できます。

やり方3:分からない問題は「セルフレクチャー」で処理する

基礎固めの段階で、1問に何十分もかけて考え込むのは逆効果です。分からなければすぐに解答を見て、それを自分自身に説明するように声に出して再現します。これが「セルフレクチャー」という方法です。

英単語を知らなければ英文は読めません。数学も同じで、基礎知識がない段階ではまず知識を入れることが先。「考える」のは基礎が固まった後の段階です。

やり方4:「グレインサイズ」を意識して知識を整理する

「グレインサイズ」とは知識の粒度のこと。問題を丸ごと1つの塊として暗記するのではなく、「どこまでを1つの知識として持っていれば応用が効くか」を意識して整理します。

例えば、「この問題はこう解く」と1対1対応で覚えていると、見たことのない問題には対応できません。しかし「この問題で使われている原理はこれで、この原理は他のこういう場面でも使える」という粒度で知識を持っておけば、初見の問題にも対応できるようになります。

やり方5:スキマ時間は「カード法」で活用する

重要な解法や公式をカードにまとめておくと、通勤電車や昼休みといったスキマ時間でも数学に触れられます。1日あたり20~30分はここで稼げるので、忙しい社会人にとって見逃せない時間です。

基礎固めの所要期間

社会人が平日30分~1時間+休日2~3時間で取り組んだ場合、白チャート1冊(IA)を仕上げるのに約2~3ヶ月。全3冊(IA・IIB・IIIC)で約半年~1年が目安です。正しい方法で進めれば、この期間で高校数学全範囲の基礎が固まります。

基礎固めの方法を体系的に学ぶには

ここで紹介した「各個撃破法」「セルフレクチャー」「ステータス管理」「グレインサイズの最適化」「カード法」は、エンリッチ実学院の数学教室の本編教材動画で、それぞれ1本ずつ詳細に解説されています。独学で実践するのが難しいと感じた方は、体系的に学べる環境を活用するのも有効な選択肢です。

エンリッチ実学院の取り組み全体については、公式サイトからもご確認いただけます。