読書の時間が作れない社会人へ|スキマ時間を「知識」に変える3つの方法

「まとまった読書時間」は、永遠に来ない

「落ち着いたら、ゆっくり本を読もう」。そう思い続けて、何年も経っていないでしょうか。仕事に追われる社会人にとって、まとまった読書時間を確保するのは至難の業です。そして残念ながら、その「落ち着いたら」は、たいてい永遠に来ません。

解決策は、まとまった時間を待つのをやめることです。1日の中に散らばっている「スキマ時間」を、知識に変える。これができれば、忙しくても確実に本を読み進められます。この記事では、スキマ時間を読書に変える3つの方法を解説します。

そもそも、1日のスキマ時間はどれだけある?

方法の前に、自分のスキマ時間を意識してみましょう。通勤電車の中、昼休みの食後、会議の待ち時間、レジや病院での待ち時間、寝る前の布団の中。こうした「何となくスマホを眺めている時間」を合計すると、1日に1時間以上あることも珍しくありません。

この時間を読書に回せれば、1日30分でも、1ヶ月で15時間、1年で180時間です。本にして何十冊分にもなります。問題は時間がないことではなく、散らばった時間を活用できていないことなのです。

方法1:通勤時間を「定位置の読書時間」にする

1つ目の方法は、通勤時間を読書の定位置にすることです。多くの社会人にとって、通勤時間は毎日必ず訪れる、最も安定したスキマ時間です。ここを「読書の時間」と決めてしまえば、意志の力に頼らず、習慣として読書を組み込めます。

電車内なら、文庫本や電子書籍が便利です。スマホに電子書籍を入れておけば、かさばらず、片手で読めます。ポイントは、通勤中にSNSやニュースアプリを開く習慣を、読書アプリを開く習慣に置き換えること。「電車に乗ったら本を開く」という流れを作れば、毎日の往復が、そのまま読書時間に変わります。

方法2:「耳」を使って読書する

2つ目は、目だけでなく耳を使う方法です。オーディオブックや、本を朗読してくれるサービスを使えば、目を使えない時間も読書に変えられます。

これが強力なのは、「ながら時間」を活用できる点です。通勤中の徒歩、家事をしている時、運動中、車の運転中など、目と手はふさがっているけれど耳は空いている時間は、1日に意外と多くあります。こうした時間に耳から本を聴けば、読書時間が一気に増えます。活字を読むのが苦手な人や、目が疲れやすい人にも向いた方法です。視覚と聴覚を使い分けることで、1日の中の読書可能時間は何倍にも広がります。

方法3:「1日5分・1ページ」から習慣化する

3つ目は、ハードルを極限まで下げて習慣化する方法です。「1日30分読む」と決めると、30分取れない日に挫折します。そこで「1日5分」「1日1ページ」と、失敗しようがないレベルまで下げるのです。

たった1ページでも、毎日続ければ年間365ページ、本1冊分以上になります。そして人間は、いったん始めると意外と続けてしまうもの。1ページのつもりが10ページ読んでいた、ということもよくあります。大切なのは1回の量ではなく、「毎日本を開く」という連続を途切れさせないこと。寝る前の5分だけ、と決めて枕元に本を置いておくだけでも、立派な読書習慣になります。

スキマ読書を続けるための工夫

3つの方法を続けるための工夫も添えておきます。本を常に持ち歩き、視界に入る場所に置くこと。読みかけの本にしおりを挟み、すぐ続きを読めるようにすること。そして、難しい本を完璧に読もうとせず、興味のある部分を拾い読みする気軽さを持つこと。スキマ読書では「全部読む」より「少しでも読む」を優先しましょう。完璧主義は、スキマ読書の最大の敵です。

スキマ読書に向いている本・向いていない本

スキマ読書をより効果的にするなら、本の選び方にも少し工夫があります。スキマ時間に向いているのは、短く区切って読める本です。短いエッセイ集、項目ごとに独立した実用書、章が短い新書などは、5分や10分の細切れでも読み進めやすく、中断しても話を見失いません。

逆に、複雑な論理が長く続く専門書や、登場人物の多い長編小説は、細切れで読むと流れを見失いやすく、スキマ読書には不向きです。こうした腰を据えて読みたい本は、休日のまとまった時間に回し、スキマ時間には軽く読める本を充てる、と使い分けるとよいでしょう。読む状況に合わせて本を選ぶことも、忙しい社会人が読書量を増やすコツの1つです。手元に「スキマ用の軽い本」を常に1冊持っておくと便利です。

まとめ──時間は「作る」のではなく「拾う」

読書の時間が作れない社会人は、まとまった時間を待つのをやめ、スキマ時間を拾うことです。通勤を定位置の読書時間にする、耳を使って聴く、1日5分から習慣化する。この3つで、忙しくても着実に本を読み進められます。時間は作るものではなく、すでにあるスキマを拾い集めるもの。今日の通勤から、始めてみてください。

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