「I・Aは進められたのに、II・Bで急に難しくなった」
白チャート(チャート式 基礎と演習)で数学を学び直し、数学I・Aは順調に進められたのに、数学II・Bに入った途端、急に難しく感じてつまずく。これは、多くの社会人が経験する「II・Bの壁」です。
しかし、これは才能の問題ではありません。II・Bには、I・Aとは違う難しさがあり、それを知らずに同じ感覚で進めるとつまずくのです。この記事では、なぜII・Bが難しく感じるのか、I・Aとの違いを整理し、攻略のポイントを解説します。違いを知れば、II・Bの壁は越えられます。
そもそも数学II・Bで何を学ぶのか
まず、数学II・Bの内容を確認しましょう。数学IIには、式と証明、複素数と方程式、図形と方程式、三角関数、指数関数・対数関数、微分・積分の基礎などが含まれます。数学Bには、数列などが含まれます。I・Aで学んだ内容を発展させた、より高度なテーマが並んでいます。
これらは、高校数学の中でも本格的な内容に踏み込む単元群です。I・Aが「数学の基礎の基礎」だとすれば、II・Bは「高校数学の本体」とも言える部分。ここをしっかり固められるかが、数学力の大きな分かれ目になります。
I・Aとの違い1:抽象度が一段上がる
II・Bが難しく感じる最大の理由が、抽象度の高さです。I・Aは、まだ具体的でイメージしやすい内容が多いのですが、II・Bになると、扱う概念が一気に抽象的になります。
例えば、三角関数は、I・Aで学ぶ三角比(直角三角形の辺の比)を、単位円を使って角度の制約から解放し、波として捉え直したものです。指数関数・対数関数も、これまでの数の感覚を超えた抽象的な概念です。具体的な図形や数で考えられたI・Aと違い、II・Bでは抽象的な概念を頭の中で扱う力が求められます。この抽象度の跳ね上がりが、つまずきの最大の原因です。
I・Aとの違い2:新しい概念が次々と登場する
2つ目の違いは、見慣れない新しい概念が次々と登場することです。複素数、対数、数列の和を表す記号など、II・Bでは初めて出会う記号や考え方が多く、それぞれに慣れる必要があります。
新しい概念に出会うたびに「これは何を表しているのか」を理解しなければならず、その負荷が「難しい」という感覚につながります。しかし、これは裏を返せば、1つずつ丁寧に概念を理解していけば、必ず乗り越えられるということです。新しい概念は、最初は誰でも戸惑うもの。慣れの問題でもあるのです。
I・Aとの違い3:分野同士のつながりが増える
3つ目の違いは、分野同士のつながりが増えることです。II・Bでは、I・Aで学んだ知識を土台にして解く問題が多くなります。例えば、図形と方程式ではI・Aの図形や座標の知識を、微分・積分では関数の知識を使います。
つまり、II・Bでつまずく時、実はI・Aの理解が不十分なことが原因の場合があるのです。II・Bが難しいと感じたら、土台となるI・Aの関連分野に戻って確認すると、すんなり理解できることがあります。分野のつながりを意識することが、II・B攻略の鍵になります。
攻略のポイント1:I・Aの土台を確認する
では、攻略のポイントです。まず、II・Bでつまずいたら、対応するI・Aの分野に戻って土台を確認すること。前述の通り、II・Bの難しさはI・Aの理解不足から来ていることが多いからです。急がば回れで、土台を固め直すことが、結果的に近道になります。
攻略のポイント2:抽象概念は「具体例」で理解する
2つ目のポイントは、抽象的な概念を、具体例に落とし込んで理解することです。抽象的なまま頭に入れようとすると難しいので、「これは具体的にどういうことか」「何の役に立つのか」を考えながら学ぶのです。例えば対数なら、具体的な数値で計算してみて、その振る舞いを体感する。抽象と具体を行き来することで、難しい概念も少しずつ自分のものになります。そして、数学は反復で身につく技術なので、新しい概念も、手を動かして繰り返し練習することで定着します。焦らず、1つずつ概念を攻略していけば、II・Bの壁は必ず越えられます。こうした段階的な学び方はエンリッチ実学院の数学教室でも解説しています。
II・Bは「現行の課程」を確認して学ぶ
1つ実務的な注意点を添えておきます。高校数学のカリキュラム(学習指導要領)は、数年ごとに改訂され、それに伴って各単元がどの科目に属するかが変わることがあります。例えば、ある単元が数学Bから別の科目に移る、といった変更が起こり得ます。
そのため、白チャートで学ぶ際は、現行のカリキュラムに対応した最新版の教材を使い、自分が学んでいる範囲が現在どう位置づけられているかを確認しておくと安心です。特に、数検や共通テストなど、現行の範囲に基づく試験を目指す場合は、範囲のずれがないよう、最新版で学ぶことが大切です。とはいえ、数学の内容そのもの(三角関数や対数の考え方など)は、課程が変わっても本質は同じです。科目の区分にとらわれすぎず、1つずつ概念を理解していくことが、II・B攻略の王道であることに変わりはありません。最新の教材で、着実に学んでいきましょう。
まとめ──違いを知れば、II・Bは越えられる
白チャートのII・Bが難しいのは、I・Aより抽象度が上がり、新しい概念が増え、分野のつながりが複雑になるからです。攻略には、つまずいたらI・Aの土台を確認し、抽象概念を具体例で理解し、反復で定着させることが効果的です。II・Bの壁は、才能ではなく、違いを知って正しく対処すれば、社会人でも必ず越えられます。
学び直し全般の情報は、エンリッチ実学院の公式サイトでも発信しています。
