「数学が苦手だから不安」な看護師さんへ。まず結論から
「点滴の計算が毎回不安」「希釈の計算で頭が真っ白になる」──数学への苦手意識を抱えたまま働いている看護師さんは、実はとても多いです。
最初に結論をお伝えします。看護師に高度な数学は必要ありません。必要なのは、中学〜高校1年レベルの「計算力」だけです。微分積分もベクトルも出てきません。そして計算力は、正しい方法で学び直せば、忙しい社会人でも短期間で確実に取り戻せます。この記事では、現場で使う数学の正体と、苦手の本当の原因、克服の手順を順番に見ていきましょう。
看護の現場で実際に使う「数学」の正体
看護業務で数学が登場する代表的な場面は、次の3つです。
1. 点滴の滴下計算
「500mLを6時間で投与。20滴=1mLの輸液セットなら1分間に何滴?」という、おなじみの計算です。中身を分解すると、使っているのは割り算と単位換算(時間→分)だけ。つまり小学校〜中学レベルの算数です。
2. 薬液の希釈・濃度計算
「5%の薬液を0.5%に希釈するには?」といった計算です。これは割合と比例の問題で、中学1年の内容にあたります。パーセントの意味(全体を100としたときの量)が腹落ちしていれば、難しいことは何もありません。
3. 酸素ボンベの残量・投与時間の計算
圧力計の値とボンベの容積から使用可能時間を求める計算です。これも掛け算・割り算と比例の組み合わせで、新しい数学知識は不要です。
お気づきでしょうか。看護現場の数学は、ほぼすべて「割合・比例・単位換算」という中学数学の3点セットに集約されます。
計算が苦手になる本当の原因は「公式の丸暗記」
では、なぜ多くの看護師さんが計算に不安を抱えるのか。原因は能力ではなく、滴下計算などの「公式」を意味も分からず丸暗記しているからです。
丸暗記した公式は、緊張する場面や少しひねった条件になると一気に使えなくなります。逆に「なぜその式になるのか」を割合・比例のレベルから理解していれば、公式を忘れても自力で組み立てられます。つまり克服すべきは「滴下計算」そのものではなく、その土台にある中学数学の抜けなのです。
もうひとつ、見落とされがちなのが心理面です。「自分は文系だから」「昔から数学はダメだった」という思い込みがあると、計算の場面で必要以上に緊張して、本来できるはずの計算までミスしてしまいます。基礎を埋め直して「解ける」経験を小さく積み重ねることは、この苦手意識そのものをほどく効果もあります。
計算の苦手を克服する3ステップ
ステップ1:小中レベルの計算を1冊で総ざらいする
おすすめは『小・中・高の計算がまるごとできる』のような、小学校レベルから順に計算だけを通せる1冊です。「小学校の計算なんて今さら」と思うかもしれませんが、割合・分数・比でつまずいている大人は本当に多く、ここを埋めるだけで現場の計算への不安は劇的に減ります。
ステップ2:分からない問題は「さっさと答えを見る」
学び直しでは、解けない問題の前でうんうん悩む必要はありません。すぐに解答を見て、その解き方を自分自身に説明するように声に出して再現する(セルフレクチャー)。この方が圧倒的に速く、確実に身につきます。
ステップ3:1日10分、同じ問題を反復する
夜勤もある生活で、まとまった勉強時間は取れなくて当然です。大事なのは量より反復。同じ基礎問題を1日10分、何度も繰り返すことで、計算は「考えなくてもできる」レベルに自動化されます。現場で必要なのは、まさにこのレベルの計算力です。
よくある質問
電卓やアプリがあるのに、計算力は必要?
道具は使って構いません。ただ、出てきた数値が「明らかにおかしい」と気づけるかどうかは、自分の中の計算感覚にかかっています。患者さんの安全に直結する場面だからこそ、検算できる力が安心につながります。
ブランクがあって復職予定です。計算が不安なのですが
復職前の学び直しとしても、やることは同じで「割合・比例・単位換算」の総ざらいが最優先です。現場を離れていた期間が長いほど不安は大きくなりますが、必要な数学の範囲自体はごく狭いので、1〜2ヶ月の準備で十分カバーできます。
どれくらいの期間で克服できる?
現場の計算に必要な範囲(割合・比例・単位換算)なら、1日10〜15分の反復で1〜2ヶ月が目安です。そこからさらに数学I程度まで広げておくと、検査値やデータを読む場面でも余裕が生まれます。
まとめ:看護師の数学不安は「中学数学の埋め直し」で消える
看護師に必要な数学は中学〜高校1年レベルの計算だけで、苦手の正体は公式の丸暗記と基礎の抜けです。土台から埋め直せば、年齢に関係なく必ず克服できます。もし独学での進め方に不安があれば、エンリッチ実学院の数学教室では、忙しい社会人向けに「絞って繰り返す」学習法を体系的に解説しています。
エンリッチ実学院全体の取り組みは公式サイトでも紹介しています。
