出世に興味がない社会人の「別の生き方」|ゴール設定で見える新しい選択肢

「出世に興味がない」のは、ダメなことではない

同僚が昇進を目指して頑張る中、自分はどうも出世に興味が持てない。かといって、では何がしたいのかと聞かれると、答えに詰まる──。こうした「出世に興味がない」社会人は、近年増えています。

まず伝えたいのは、出世に興味がないこと自体は、決して悪いことでも、無気力でもないということです。それは単に、あなたの価値観が「組織内での地位」とは別のところにある、というだけのこと。問題は、出世という分かりやすい目標がない代わりに、自分なりの目標を見つけられずにいることです。この記事では、出世以外の生き方を見つける鍵となる「ゴール設定」の考え方を解説します。

なぜ「出世以外の目標」が見つからないのか

出世は、会社が用意してくれた、分かりやすい既製の目標です。レールが敷かれているので、それに乗るかどうかを考えるだけで済みます。ところが、出世に興味がないとなると、目標を自分で一から設計しなければなりません。これが意外と難しいのです。

多くの人が、ここでつまずきます。「出世しないなら、何を目指せばいいのか」が分からない。その理由の1つは、人は自分の知っている範囲でしか目標を選べないからです。出世以外の生き方の選択肢を、そもそも十分に知らないために、目標の立てようがない、という状態に陥っているのです。

鍵は「現状の外」へのゴール設定

この状態を抜け出す鍵が、「ゴール設定」という考え方です。重要なのは、会社や社会が用意した目標ではなく、自分が心から望むゴールを、自分で設定することです。

そして、そのゴールは「現状の外」に置くのがポイントです。今の延長線上にある目標(順当に昇進する、など)ではなく、「本当はこういう人生を送りたい」という、現状を超えた願いに目を向ける。出世という1本のレールから降りて視野を広げれば、目標の置き場所は、仕事の中だけでなく、趣味、学び、家庭、社会貢献、自己実現など、人生のあらゆる領域に広がっています。出世が唯一の目標ではないと気づくこと。それが、別の生き方への出発点です。

新しい選択肢に気づくには「知識」を増やす

とはいえ、「自分が本当に望むゴール」は、すぐには見つからないかもしれません。その時に効くのが、知識を増やすことです。

人は、知らないことを目標にはできません。世の中にどんな生き方、どんな選択肢があるのかを知らなければ、「これがやりたい」という発見も生まれません。人間には「重要なものしか見えない」という性質(心理的盲点=スコトーマ)があり、知識が少ないと、選択肢の多くが視界に入らないのです。逆に、本を読み、学び、視野を広げると、これまで見えなかった生き方の選択肢が見えてきます。歴史上の人物の生き方、様々な職業や活動、多様な価値観に触れることで、「こんな道もあるのか」という気づきが生まれる。知識を増やすことは、人生の選択肢を増やすことなのです。

学びが「自分の軸」を育てる

幅広く学んでいくと、その過程で「自分は何を大切にしたいのか」という価値観の軸も、少しずつ見えてきます。様々な考え方に触れることで、自分が何に心を動かされ、何に違和感を覚えるのかが分かってくるのです。この軸が定まってくると、出世とは別の、自分なりのゴールが描けるようになります。出世に興味がないという感覚は、「自分の軸で生きたい」というサインなのかもしれません。その軸を育てるのが、学びの役割です。

「出世しない」を消極的な選択にしない

1つ気をつけたいのは、「出世に興味がない」が、ただの逃げや諦めになっていないか、という点です。「頑張っても無駄だから」「面倒だから」という消極的な理由で出世を避けているだけなら、それは別の生き方を選んだのではなく、単に立ち止まっているだけかもしれません。

本当の意味で「別の生き方」を選ぶとは、出世という道を理解した上で、それとは違う、自分が積極的に望む道を選ぶことです。そのためには、やはり自分のゴールと軸が必要になります。「出世しない」という消極的な選択を、「これを目指す」という積極的な選択に変えること。その違いが、充実した人生とそうでない人生を分けます。出世しないと決めたなら、その分のエネルギーを、自分が本当に望むゴールに注ぎましょう。空いた手で、別の何かをつかむのです。

まとめ──出世以外の道は、視野を広げた先にある

出世に興味がないのは価値観の問題であり、ダメなことではありません。大切なのは、既製の目標に乗る代わりに、現状の外に自分が望むゴールを設定すること。そして、新しい選択肢に気づくために知識を増やし、視野を広げることです。学びを通じて自分の軸が育てば、出世とは別の、自分らしい生き方が見えてきます。

エンリッチ実学院では、視野と選択肢を広げる基礎学力・基礎知識の学び方を紹介しています。公式サイトもぜひご覧ください。